激烈なシェア争いを展開してきたアサヒ、キリン

広いエリア、単独輸送限界

 激烈なシェア争いを展開してきたアサヒ、キリン、サッポロ、サントリーの国内ビール大手4社が全国初となる共同輸送を道内で12日開始し、物流分野で「協調路線」にかじを切った。慢性的なトラック運転手不足が続く中、広大な道内で単独での輸送が限界に達しつつあるためだ。物流効率化に向けライバルの壁を取り払った共同輸送の「北海道モデル」は今後、道内外に急速に広がる可能性も秘めている。

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 「ドライバー不足は道内では特に厳しい。将来のリスクをどう先取りして共同で課題解決していくかを考えた」。12日の出発式後、アサヒビールの児玉徹夫物流システム部長は記者団に強調した。

 激しい営業競争で知られる4社が共同輸送に踏み切った背景には、道内特有の厳しい物流環境がある。北海道は九州に比べると、面積が約2倍と広い一方、人口は半分以下で、一極集中が進む札幌圏を除き人口密度が低い。
ビール4社、共同輸送開始 札幌―釧根 鉄道主体に転換

共同輸送のイメージ図
小口貨物急増で物流環境厳しく

 道内のトラック台数は約65万台と、この10年で1割減少した。道警によると、道内の大型1種免許の保有者数は20万人台後半で推移するが、30歳未満は1万4千人(昨年末)と10年前の半数にまで減り、先細りが避けられない。運転手不足の中、インターネット通販による小口貨物の急増で宅配大手が相次いで値上げするなど、物流環境は厳しさを増している。

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 こうした中、道内で大手企業を中心に食品や薬品の分野で共同輸送が増えているが、今回の最大の特徴は、中長距離区間を貨物列車に切り替える「モーダルシフト」を導入したことだ。トラック輸送の距離が短くなって運転手を確保しやすくなる上、二酸化炭素の排出量を3割弱削減できるなどのメリットがある。